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「ご馳走様。美味しかったよ」
「そう、良かったわ」
食べ終わったので食器を手早く洗う。後でやろうと溜めておくとヤバイことになるので、というか実際に去年ヤバイことになったので、そこからは洗い物は食べ終わったらすぐやるようにしている。アリスも食べ終わったので食器を受け取って洗うと、アリスは洗った食器を布巾で拭いてくれる。何か、良いな。こういうの。
洗い物が終わったので蛇口を絞めて、水を切る。時間を見ると、9時30分くらいだった。大学に行くまであと1時間くらいある。こういう、微妙に余った時間は、結構困る。二度寝したら起きられそうにないし、どこかに遊びに行くには時間が足りない。本当ならゲームをしたいが、熱中して確実に遅刻するビジョンが見える。
とりあえず、今日あるテストに持っていくものでも確認しておくか、とリュックを触ったときに、ふと思い立った。
「そうだアリス、これ、渡しておくね」
「これは……鍵?」
「この部屋の合鍵。僕が大学に行っている間、どこかへ行きたくなったら戸締りしてね」
昨日は買い物やら何やらでバタバタしていたので渡すのをすっかり忘れていた。ルームシェアする以上は鍵がないと不便だろう。アリスは合鍵を受け取ると、礼を言ってポケットにしまった。
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