祭囃子にはリンゴ飴
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祭囃子にはリンゴ飴

 日曜日。体調も治りついに完全復活を果たし、テストも終わっているということで暇を持て余していた。友人どもは帰省しているし、僕も実家に帰省する予定ではあったけれど、アリスを一人にしてはおけない。  目下の所、やりたいことも、やらなければならないこともないので、特に目的も無く、取り合えず例のデパートでブラブラしていると、レンタル浴衣なるものを見つけた。 「……そっか。藤浪祭りって今夜だったか」 「藤浪祭り?」 「うん。屋台とかも結構出るらしいし、打ち上げ花火も上がるらしいよ」 「へぇ、花火。それは楽しみね。一緒に行かない?」 「もちろん行くよ。楽しみだね」  そうかぁ、祭か。去年は帰省していたから気に留めていなかったけれど、祭は結構好きなので楽しみだ。こちらの方でも地元の方でも、帰省やら何やらでちょうど予定が合わないことが多いので、祭りに参加するのは結構久しぶりな気がする。 「せっかくなら浴衣も着たらどう?」 「浴衣ってアレ?」 「そうそう。祭のとき、女性は浴衣を着るのがこの国の文化なんだ」