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水族館②
ある日曜日、○○水族館の水槽では様々な魚が開館前におしゃべりをしていた。
「あー、今日はたくさん人間が来る日だよ。」
「なんで?」
「人間にとって7日周期で暇になる日が来るらしいんだ。だから、今日はやべーぞ」
「えー、誰かに見られるの嫌なのに…」
そういううちに開館した。
「わー、子どもたちがはしゃいでる」
「そんなにオレたちを見て面白いのか?」
「お、俺を指して騒いでるぞ」
一部の魚たちは、水槽にいることをさほど気にしていなかった。しかし
「ねー、なんでもっと奥に行けないの?行きたいよー!」
「なんかここ堅いよ、さっきぶつけちゃった」
「すっごい窮屈」
「全く、人間はオレたちをこんな狭いとこに閉じ込めて何をやりたいんだ。見世物じゃないんだよ」
「ママー!ママどこ??」
「ママとはぐれちゃったよー!海を泳いでたら、僕だけ網にひっかかっちゃって…」
水槽内を窮屈と思い迷惑と思っている魚もいれば、親と生き別れになってしまった子どもたちもいる。もちろん、逆の子どもたちと生き別れになってしまった親もいる。
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