えんもたけなわのトラウマ

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えんもたけなわのトラウマ

 深海の太后の城はいつものように宴会騒ぎだった。 本来場を引き締めるはずの男共は残らず姿を消し、女だけの王国と化した場は完全に統制を失い、要するに校則も法律もへったくれもない女子高と化していた。 その隅で膝を抱えたライルと、静也の姿があった。 「ムクはどこ行ったんだろう?で、何があったんですかライルさん」 ライルは小刻みに震えて言った。 「お前には解るまい。最高のひと時、それがババアになった時の恐怖と絶望が。ノーモアグラニー。ババアはもうたくさんだ。そこら中にいる、ババアが。たくさんいるババアがティッツ揺らして襲ってくるんだ。ババアは嫌だ。ババア、ババア、ババア」 どうも最低な目にあったらしいことだけは解った。 深海の太后は、杯を飲み干して言った。 「誰かが言った。女子は常に三歩下がれと。女子は屁などこかぬ。女子は淫靡な妄想などせぬと。さにあらず!常に女子は逞しい男の生殖器を思っておる!それに貫かれる時を待ち至る!それ無くして何が女子じゃ!はっきり言っておく!女子はそんなことしか考えておらぬ!であろう?!」 万雷の拍手と賛同の声が上がった。 ええええええ?そんな?そんななの?
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