希望を信じて

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 さとみのウインクに翔太はデレッとした顔になってしまう。翔太は変な顔をおばあちゃんに見られたかと思ってゆっくりとあたりを確認した。おばあちゃんは白ネコの横にすわってこっくりこっくりと居眠りをしていた。 「よかった」  翔太はホッと胸をなで下ろすと自分の胸を見て首をかしげた。さとみの言うような心の光が見えなかったからだ。  光ってどういうことだろう。うーん、まあいいか。翔太はそんなに気にも留めずさとみに話しかけた。 「さとみちゃん、ぼく、いっしょに遊びたいな」 「そうね。何して遊ぶ」 「そうだなぁ。いっしょにブランコに乗ったり、おにごっこしたり砂場でどろんこ遊びしたりさ。あっ、今日は雨だからトランプがいいかな」 「それは無理よ。だって私……」  翔太はさとみが最後になんと言ったのかよく聞こえなかった。でも、聞き返すことはできなかった。さとみが空きカンの中でひざをかかえて丸くなり豆つぶのように小さくなっていたからだ。きっと、さとみはこの空きカンから出られないんだと翔太はさとった。さとみが一番外へ出て思いっきり遊びたいと思っているに違いなかった。翔太はさとみの心をキズつけてしまったのではないかと自分の言葉を後悔(こうかい)した。
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