希望を信じて

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「伸一くん、待ってー」  翔太はのどがつぶれるくらい大きな声で叫んだ。翔太の声が伸一にとどいて、伸一は急ブレーキをかけて振り向く。 「なんだよー」 「伸一くん、白ネコにあったことなかったよねー。だから、やっぱりいっしょに探そうよー」  伸一は少し考えて翔太のもとに走って戻って来た。伸一とともに町中を歩き回り近所の人たちにいろいろと聞きまくって空きカンをくわえた白ネコの居場所を探した。ゴミ捨て場、小川の草むら、家の建ち並ぶ間の細い通路、どこを探しても白ネコの姿はない。  見つけなければさとみの命がなくなるような気がして必死に探した。気づけば服が薄汚れていた。  どれくらい探しただろうか。もうヘトヘトだ。どんなに探しても時間が過ぎていくだけだ。いったい、白ネコはどこへ姿をかくしているのだろうか。町外れの土手にたどりつくと、伸一は倒れ込むように寝転がると空を見上げた。翔太もその横に寝転んだ。赤紫色に染まった空を悲しげにカラスが鳴きながら飛んで行く。 image=513322199.jpg
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