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やばいよ!やばいよ!
何で朝から会議のこんな日に寝坊するかなー!私!
自分で自分を怒りながら、勢いよく部屋を飛び出す。
今からなら、何とかバスに間に合うはず。
走りながら携帯に手を伸ばして、上司に念の為電話をかけた。数分でも遅れれば、遅刻には変わりないし。
「あっ!おはようございます!佐川です!
すみません!朝出るのが遅れて5分ほど会議に遅れてしまいそうです!申し訳ありません!」
すると、上司が以外にも普通に、
「あっ、大丈夫。まっ、気を付けて向かって来てよ。」
とだけ言って電話を切った。
あれ?
いつもなら、結構な嫌味を返してくるんだけどな?
少し変だなと思いつつも、とにかく今はバスに乗る為に全力で走る事に専念しなければ!
こんな全力ダッシュなんて、いつ以来か。
46歳にもなると全力で走るなんて日は、ほぼない!
だから、私を見る周りの目がとても痛いのだろう。
おばさんが走ってるー!ばかみたいねー!
って感じだろうか?まっ、それは致し方ない。
私だって、他の人が同じ様に走っているのを見たら、そう思うもの。最後に、何だか分からないけど、頑張れ~!って、心で応援する程度。
でも、今はそんな事はどうでもいいから、バスに間に合います様に!!お願いしまーすっ!!
神さま!仏さま~!!
そんなおばさんを哀れんでくれたのか、神様か仏様はバスに間に合わせてくれたのだった。
肩で激しくはーはーと息を切らしながら乗り込んだバスの車内は、皆さん極悪犯を見る様な目でジロジロ。
私が恥ずかしさ全開になったのも、本日が最悪な日になる要素の1つではあったのだ。
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