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目の色と牙がちょっとアレで、あとは、普通の高校生男子って感じか。
ツノとか翼はなさそうだ。
革靴っぽい茶色の靴は、洗って玄関の外に干しておいた。
「で、だ」
洗って絞った上下の服を洗濯機に放り込んで、バスタオルを取ってきてやった。
「俺のしもべになったんだよ、な。お前」
「そうだ」
肩までお湯に浸かりながら、悪魔が答える。
「んじゃあさ、名前、教えてよ」
「ゾフポホソュグョ・プシャラック・ヌェルァ・ゲボバホズェルボッ・ゲホ・ゲホゴボブファッ」
どこまでが名前だよ。途中でお尻が滑って、目のあたりまでお湯に潜って溺れかけてるし。
「えーっと……もう一回、いい?」
「ゲフッ、コホッ……どうしても、か?」
涙目で見上げられちゃ、無理にとは言えない。シッポか。ふさふさシッポで滑ったか。
「……んじゃ、なんて呼べばいい?」
「オレの主は、あんただろうが」
「確かに。んじゃ、ポチでいいか」
そんな、切なさと悲しみと怒りと自制をマーブルにしたみたいな顔すんなよ。
ますますイヌみたいだぞ。
「わかったわかった。えーと、なんだっけ。ゾフポン……?」
ちょっと、めんどくさくなってきた。
「あー。じゃ、ゾフでいいな」
悪魔め、返事はしないがしぶしぶ納得したようだ。
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