02_下僕ができたはずなのに、なぜか俺が洗濯している。

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 目の色と牙がちょっとアレで、あとは、普通の高校生男子って感じか。  ツノとか翼はなさそうだ。  革靴っぽい茶色の靴は、洗って玄関の外に干しておいた。 「で、だ」  洗って絞った上下の服を洗濯機に放り込んで、バスタオルを取ってきてやった。 「俺のしもべになったんだよ、な。お前」 「そうだ」  肩までお湯に浸かりながら、悪魔が答える。 「んじゃあさ、名前、教えてよ」 「ゾフポホソュグョ・プシャラック・ヌェルァ・ゲボバホズェルボッ・ゲホ・ゲホゴボブファッ」  どこまでが名前だよ。途中でお尻が滑って、目のあたりまでお湯に潜って溺れかけてるし。 「えーっと……もう一回、いい?」 「ゲフッ、コホッ……どうしても、か?」  涙目で見上げられちゃ、無理にとは言えない。シッポか。ふさふさシッポで滑ったか。 「……んじゃ、なんて呼べばいい?」 「オレの主は、あんただろうが」 「確かに。んじゃ、ポチでいいか」  そんな、切なさと悲しみと怒りと自制をマーブルにしたみたいな顔すんなよ。  ますますイヌみたいだぞ。 「わかったわかった。えーと、なんだっけ。ゾフポン……?」    ちょっと、めんどくさくなってきた。 「あー。じゃ、ゾフでいいな」  悪魔め、返事はしないがしぶしぶ納得したようだ。     
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