雪豹の真実

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 首元の白い魔石に気が付いたからだ。こんなことになるのなら外しておけば良かった。この石を見られたら僕らは終わる。どちらにしても結末は変わらない。言葉で言い渡されれば番は解消される。 「やはり、貴様は海賊の手中に落ちていたか。もう貴様など要らん。番を────」 「ちょっと待て」  突然、左横から声がした。いつからその場に居たのだろうか、そこには壁に寄り掛かって立つアキークの姿があった。全く今まで誰も気配に気付かなかった。  ────そんな、どうしてアキークが? 「貴様、どこから入った?」  一人の兵士が声に反応しアキークに近付く。夢では船の上だった、でもここはアルシャムスの城、場所が違うのに嫌な予感がする。 「地下水路からだ。簡単だったぞ?俺たちはお前らライオンと違って泳ぎが得意だからな。まあ、そんなことより俺は交渉に来たんだ」  兵の横を抜けて、アキークが僕の前に立った。 「その毛の色……アルカトか、貴様は死んだと思っていたが……ああ、追い出されたのだったな」  今すぐにでも殺せと兵士に命じると思ったけれど、王は意外と冷静だった。この状況を楽しんでいるようにも見える。 「俺の名はアキークだ。アルカトなんて奴は存在しない」 「アキーク?その毛色で?」 「悪いか?」 「ふんっ、それで交渉とはなんだ?」  驚くことに王はアキークの話を聞くことにしたらしい。アキークには何か秘策があるのだろうか?いや、彼は一体何者なのだろうか。
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