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今日のお昼も教室で、中学校からの友人でもあるクラスメイトの峰本 清香とお弁当を食べていた。
「あずー。今日のおかず、なんだかあれじゃない?」
本当は[あすみ]だけれど、清香は私を[あず]と呼ぶ。
「あれってなによ。冷凍しておいたのが多いけど」
清香は顔を近づけて、にやつきながら小声で言った。
「誰かさんが、好きだって言ってたのばかりじゃないかなー」
「え?・・・」
そう言われてみれば確かに・・・おかしいな。
なんともいえない気持ちで、おかずだけが入った弁当箱を見つめながら、ラップで包んだおにぎりにかぶりついた。
そもそもこの弁当箱には、おかずとご飯を入れて持ってきていた。
それがいつしか、おかずのみを入れる様になって。
「ひろは、そういうのすぐ察知するから、早く食べないと全部取られるよ」
相変わらず小声で言うと、清香はサンドイッチを頬張った。
ひろは、伊藤 皓貴くんの事。
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