変化

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清香と、その彼の成宮 泰地(たいち)くんと伊藤くんの三人は小学校からの付き合いで、仲が良い。 「今日のラインアップ、なんかすごくない?」 そう言いながら、伊藤くんが隣の席から移動させた椅子に座った。 「ほらね?・・・ひろ、来るの早いよー鼻が利くなぁ」 清香が小声で話してたのは、伊藤くんがモテるから。 恋バナしてるなんて思われると厄介なのだ。 私が出会った中学の頃は、今ほどじゃなかったけど、学年が上がるにつれ、女の子達から名前を聞く事が多くなった。 何人か告白したみたいだけど、全て玉砕。 バレンタインだって、誰からもチョコを受け取らないと公言して、それでも机や下駄箱に入っていたものは、友人にあげてしまうらしい。 「何度も言うけど、チョコ受け取らないよ。甘いの好きじゃないし。それ以外も同じだから、もうやめて」 当日、教室にチョコレートを持参した女の子達が、そんな風に言われていた。 変に期待させないように、敢えてキツイ言葉で返事するらしい。 だからこそ、不思議で仕方ない。 去年のバレンタインデーの事。
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