8月 part 1

4/4
739人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
 急に店内が騒がしくなった。  グラスが落ちて割れる音。  人々の悲鳴や呻き声。  右往左往する足音。  なんだ? 何が起こった? 「おい!何をやってる!」  オーナーが走ってきて、揉めている二人の影の間に入る。  ひとりは藤沢さんだ。  左のほおを押さえ、床に座りこんでいる。誰かに殴られたみたいに。  そして、もうひとり…、つまり、殴った方は…。  え、七星⁉  喧騒冷めやらないバーの店内で、俺はただただ呆然と立ち尽くしていた。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!