8月 part 1

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 急に店内が騒がしくなった。  グラスが落ちて割れる音。  人々の悲鳴や呻き声。  右往左往する足音。  なんだ? 何が起こった? 「おい!何をやってる!」  オーナーが走ってきて、揉めている二人の影の間に入る。  ひとりは藤沢さんだ。  左のほおを押さえ、床に座りこんでいる。誰かに殴られたみたいに。  そして、もうひとり…、つまり、殴った方は…。  え、七星⁉  喧騒冷めやらないバーの店内で、俺はただただ呆然と立ち尽くしていた。
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