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「ごめんな。うちはちょっと特殊だから、あんまり参考にならないよな」
山本さんは肩をすくめ、申し訳なさそうに言う。
有名人御用達の会員制バーには憧れるが、俺には無理かもしれない。アイドルの知り合いもいないし、なにより、もっと多くの人に来ていただけるお店にしたいという思いもある。…まだ具体的なプランはないが。
突然、山本さんはぽんと手を叩いた。
「あ、そうだ。オレの知り合いが歌舞伎町でバーやってるんだ。紹介しようか? この前会って話したんだけど、拓叶くんのこと知ってるみたいでさ、会いたがってたよ。
…ああでも、なんかそいつ、人見知りらしくてさ、拓叶くんと、ふたりきりで会いたいんだって。もしよかったら連絡とって、日にち調整してみてもいいかな?」
「あ、はい。お願いします」
二人きりじゃないと話せないくらい人見知りなのか?
そんなんでバーテンダーが務まるんだろうか?
がぜん興味が湧いてきた。
一体、どんな人なんだろう?
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