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「何か飲みます? 日本酒とか」
お品書きを手渡そうとした七星を、手のひらで制する。
「いや、いい。プライベートでまで酒、飲みたくねえよ。俺、ウーロン茶」
「そうですね、今日はお酒やカクテルのことは忘れましょうか」
七星はふわっと笑って、店の内線でお店の人を呼んだ。
頼んだのは会席料理のコースだ。薄紅梅色の着物を着た仲居さんがしずしずと料理を運んでくる。
10分で足が痺れた俺は、早々に正座を諦めることにした。カジュアルにあぐらをかいて、次々と出される料理を口に運ぶ。
胡麻豆腐。
銀杏と鳥ささみの雲丹和え。
しめじの土瓶蒸し。
焼き舞茸のみぞれ仕立て。
秋刀魚の香り焼き。
伊勢海老の香味バター炒め。
さすが七星おすすめの店だ。どの料理もとてもおいしい。料理がおいしいと話も弾む。楽しすぎて、あっという間に時間が過ぎていった。
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