10月 part 3-3

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「俺?」  あまりに予想外の言葉にびっくりしていると、七星はこちらを向き、いつものふわりとした笑顔を見せた。 「実は僕、以前から拓叶さんのことを知ってたんです。エリートカクテルコンペ関東大会の優勝者。雑誌にも取り上げられたりして、すごくかっこいい人だと思ってました。 そんな尊敬していた拓叶さんが、僕のことをライバルだって言ってくれた。こんな僕を、ですよ? すごく嬉しかったんです。 きっと僕は…、拓叶さんが、僕をライバルだって言ってくれたあの日から、…拓叶さんのことを好きになっていたんです」 「え?」  今、なんて言った?  聞こえたはずなんだけど、言葉が入ってこない。  七星のまっすぐな瞳に見つめられ、うろたえてしまう。    狼狽している俺に、七星はもう一度、はっきりと告げた。 「僕は、拓叶さんのことが好きです」
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