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「俺?」
あまりに予想外の言葉にびっくりしていると、七星はこちらを向き、いつものふわりとした笑顔を見せた。
「実は僕、以前から拓叶さんのことを知ってたんです。エリートカクテルコンペ関東大会の優勝者。雑誌にも取り上げられたりして、すごくかっこいい人だと思ってました。
そんな尊敬していた拓叶さんが、僕のことをライバルだって言ってくれた。こんな僕を、ですよ? すごく嬉しかったんです。
きっと僕は…、拓叶さんが、僕をライバルだって言ってくれたあの日から、…拓叶さんのことを好きになっていたんです」
「え?」
今、なんて言った?
聞こえたはずなんだけど、言葉が入ってこない。
七星のまっすぐな瞳に見つめられ、うろたえてしまう。
狼狽している俺に、七星はもう一度、はっきりと告げた。
「僕は、拓叶さんのことが好きです」
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