10月 part 2

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「なあ七星。おまえ来週の休み、何曜日?」  あまりに唐突な質問に、七星は驚いたように顔を上げる。 「あっ、はい! 来週は水曜ですけど」 「俺も、来週は水曜が休みなんだよ。 …あのさ、七星。えっと、いつも閉店後、特訓に付き合ってもらってんじゃん。歌舞伎町の桐谷からも助けてもらったしさ。 来週の水曜、一緒にメシでも行かね? いつものお礼におごるからさ」  七星を見ずに、人差し指でほおを掻きながら言う。  …なんで照れてるんだ、俺。別に女の子をデートに誘ってるわけじゃないんだから。落ち着け落ち着け。 「拓叶さん」  七星の呼びかけに応えるように、視線を向ける。呼んだくせに七星は顔をふせていた。なんか用事でもあるんだろうか? だったら遠慮なく断ってくれていいのに。
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