身近な死

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「亡くなりました。」 そう告げられたのは、朝のホームルーム。 あまりにも突然だった。 目覚ましがなり、起きてご飯を食べ、いつもと変わらぬ朝。7時5分の電車に間に合うように家を出た。約30分の道のりを淡々と歩いた。電車に乗り、学校の最寄りの駅につき、また学校まで歩いた。教室には誰もいない。いつもと同じ光景で何も思わなかった。やがて時間が経つにつれて、どんどん人が集まった。「おはよう。」そんな言葉が飛び交った。テスト返却が今日から始まる。朝からドキドキだ。 先生が教室に入ってきた。挨拶をし、いつもと同じ流れでホームルームが始まった。先生はいつも話が長い。聞いてない人の方が多かった。これも、いつもと同じだ。 「大事な話をします。しっかり聞いてください。」 急に空気が変わった気がした。先生の表情も変わった。周りもそれを察したのか、辺りはシンとした。 「残念なお知らせですが、彩さんが亡くなりました。」 隣のクラスの女の子の名前が上がった。死因や、原因等は教えてくれなかった。先生がその事を話していくうちに、仲の良かった子達の泣き声が聞こえた。私の頬にも、涙が伝ったのがわかった。
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