二章

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「ふーん。なるほどね。その共同生活をしていい人を見つけろって事ね」 確かに共同生活をする事で普段の生活のリズムや本当の性格が見えてくるだろう。結婚を前提とするならこれほど理にかなった婚活パーティーは他にはないだろう。 「そういう事。 まあ詳しい事はこの婚活パーティーを主催している会社のホームページに載ってある。 URLをメールで送るから時間があれば見といた方がいいんじゃないか」 「そうだな。まあ後で見てみるよ」 「おう。じゃあな。 あっ、あと髪は絶対切って染め直せよ。 あとパーマも忘れるなよ。じゃあまた」 電話が切れたあと、携帯を耳から話そうとした瞬間、また機械音が部屋に鳴り響いた。耳に近かったせいか、鼓膜に穴が空いたように思えた。 反射的に携帯をベッドに投げ捨てる。画面にはアラームと表示されていた。 「くそっ、 なんだよ」 苛立ちを落ち着かすかのようにウルシダはまたコーヒーを一口飲む。この苦味がなんともたまらない。コーヒーはブラックに限る。
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