二章

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飲料や食料品完備。出会いを求める男女八人。自然に囲まれた別荘。 どれも心をくすぐるワードだ。これを見て婚活パーティーに参加したいと思う人もいるのではないだろうか。 すでにウルシダの脳内では、豊かな自然に囲まれた別荘で生ビールを飲みながら、綺麗な美女と話す風景が思い浮かんでいた。 十月十日までの一週間を待つのが苦痛に思えてくる。 そっとホームページを閉じて携帯をベッドに投げ捨てる。もはやウルシダの脳内は婚活パーティーの事で埋め尽くされていた。 さあ、こうしてはいられない。今からすぐにでも来たる一週間後の為に準備をしないといけない。最高の自分で行かないと意味がないのだ。 まずは髭を剃る必要がある。それに服も新しく買わなければ一週間の共同生活を全て同じ格好で過ごさなければならない羽目になる。 そして坂東に言われた通り美容室に行く事も忘れてはならない。髪を切り、茶色に染めてもらおうか。後はパーマもあてれたらあてよう。 まるで遠足の前の日のような感覚に陥り、思わず胸が高鳴る。
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