二章

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洋服を買いに行くのにもそれなりの格好をしないといけないと思い、次の日に通販で何着か洋服を注文した。 花の金曜日になり、通販で頼んだそれなりの洋服を着てやっとの思いでお洒落な洋服を買う事に成功した。店内に入るまでに店の前を何往復もして一時間くらい無駄に時間を過ごしてしまった。 そして昨日、ついにお洒落な洋服を身に纏い美容室へと足を運んだ。カット中に店員が話しかけてきたが、気の利いた言葉が浮かんでくる事もなく会話のキャッチボールは一往復で終わってしまった。 これでは婚活パーティーでなんの成果も得られないと思い、自分から店員の女性に話しかけてみたが、思うように話が続かない。 それもそのはず、ここ数年家にこもり絵を描いていただけなので初対面の人とどうコミュニケーションをとっていいか分からなくなってしまっていたのだ。 坂東とはあれだけ話せるのに、初対面さらに女性となると下手に意識してしまい、空回りする。
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