二章

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そうして婚活パーティーに不安と期待を抱きながらこうして来たる十月十日に至ったのだ。 時刻はまだ十一時半。先程からチラチラと周りの様子を伺っていたが、改札口の周りには婚活パーティーに参加するメンバーと思わしき人物はまだみあたらない。 周りには待ち合わせをしているであろう高校生の男女のグループや、外国人観光客が駅構内の地図を見ているだけだ。 少し早く来すぎただろうか。そう思った時にある考えが頭を過ぎった。あまりに早く集合場所にいるのは後から来る女性陣達から見て、印象が良く映らないのではないだろうか。 少し早いくらいなら問題ないが三十分も前からいると知られてはギラついていると思われ敬遠されてしまうのではないかと不安になった。 「あのー…… すみません…… 」 その声は突然後ろから聞こえ、反射的に振り返る。後ろには一人の女性がウルシダを見つめて立っていた。 その人の身長は高く、ウルシダと同じく170センチくらいはある。
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