二章

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「あっ。そうなんですね! よ、宜しくお願いします」 たまらずウルシダもぺこりとお辞儀をした。まさかこんな綺麗な人が参加者だとは夢にも思っていなかった。 面を上げると彼女がウルシダを見つめてニッコリと微笑んだ。頬はほんのりと紅く、最近色づき始めた紅葉の様だった。 「他の方はまだですかね? 」 彼女はそう言いながら辺りを見渡す。その様子を見ていたウルシダも彼女と同じ様に辺りを見渡した。 やはり近くにはそれらしき人物はいない。 そう思っていた矢先、改札口から辺りをキョロキョロと見ながら出てくる一人の男が目に留まった。 そしてその男と目があった。男はウルシダの横にいた彼女に一瞬目をやるとこちらへと歩いてくる。 「もしかして、婚活パーティーですか? 」 先に切り出したのは横にいた彼女だった。 「あ、はい! そうです。お二人も? 」 「そうなんです! 宜しくお願いしますね」 チラリと横を見ると彼女の表情は先程より明るく楽しそうに笑みをこぼしていた。
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