二章

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「さあお入りください」 大金がそう言って扉に手をかけ中へと入っていった。ついにこれから始まるのか。そう思うと期待と不安で胸がいっぱいになる。 参加者達もぞろぞろと大金の後をついていく。 「まあ、素敵! 」 誰かが中で声を上げていた。その声に導かれるように一番最後に館の中へ入る。 その中はまるで異国を思わせる様な装飾が施されていて、なんともお洒落な空間だった。 足元には繊細な技術が施されていそうな絨毯が部屋一面にひかれている。そして頭上には煌びやかなシャンデリアが吊るされていた。 壁は外壁と同じ赤レンガを基調とし、落ち着いた空間になっている。 部屋の中央には透明な素材で作られた大きなテーブル。それを囲うかのように置いてあるのは革製のソファ。 部屋の左手と中央の奥には外の扉と同じような装飾がされた扉がつけられていた。 右手奥には二階へと続く階段が見えた。 「ほんと素敵な場所ね。 私楽しみだわ」 誰ががそう言った。しかし何となく心のこもっていない、芝居掛かった声に聞こえた。 「皆さま、中央のソファにおかけ下さい。 これから説明を始めます」 ついに婚活パーティーが始まった。
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