暎尚

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「・・・・・・・えいしょう?」 「うん、暎尚(あきなお)。バカだねぇ。」 「・・・生徒に言う台詞かよ、それが。」 ケラケラと笑うその声にムッとして顔を起こせば視線が絡んだ。 そこには楽しそうな、けれどどこか真剣な表情があって。 「これからはさ、そこにある名前で呼びなよ?『先公』でも『あんた』でもなく。」 「・・・は?」 穏やかな声で言われた言葉にポカンとしていれば、スマホをしまいながらニッと笑われた。 「だって、もう生徒じゃないからね。」 「・・・え?」 「楽しみだなぁ、なんて呼んでもらえるのか。」 「・・・は?」 「じゃあね、気を付けて」 そう言って、ヒラヒラと手を振りながらコンビニに入っていく後ろ姿を見送る。 なんだ、今の。 どういう意味・・・・ 「っ、とビビった」 姿が見えなくなってからも思考が付いていかず金縛りのように動けないでいれば、手元のスマホがメール受信を告げた。 『津田より暎尚のが嬉しいよね』 「ざけんな!!ぜってぇ呼ぶか!!!」 書いてある内容に思わず叫ぶ。 ニヤニヤと楽しそうに笑っている顔が想像できて、それが悔しくて。 けれど さっきまで感じていたモヤモヤは、すっかり消えていたー。
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