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早く卒業すれば良い、と口を揃えて言っていた。
犬、みたいだけどな。
さらさらと揺れる髪が、うちで飼ってるゴールデンレトリバーと似ていて。
まぁ、
あくまで似てるだけだけど。
可愛いからなぁ、うちのネオ。
あれほどのキューティクルな毛並みはそうそうないよ。
那須の髪が綺麗でもあれには敵わない・・・
『・・・・・・・・・・・・』
『んだよ、触んなよ!!』
無意識に伸ばしていた手が那須の頭を撫でていたらしい。
睨みながら手を振り払われ、プッと吹き出してしまった。
『ごめんごめん、犬と間違えた。』
『あ"あ"?ざっけんな!』
立ち上がりネクタイを掴んでくるのを『どうどう』と落ち着かせる。
『だから悪かったって。ケンカはダメダメ。僕、めっちゃ弱いから。』
『・・・・・・・・・・・・・』
犬で例えるなら歯を剥き出してグルルルル・・・と唸っているのだろうな。
そんな風に思うと、威嚇してくるこの姿も案外可愛い。
自分の中で、那須=犬が定着しだして可笑しくなる。
が、今ここで笑えば殴られることは確実だから隠すけど。
『ほら、ラーメン食べるんだろ?俺も飯買いたいし、離せって』
ゆっくりとネクタイを掴む手を押し、身体を離す。
『・・・・・・・・・・・・』
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