3章 悪魔の力量

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館の窓からブロンコ氏が外を眺めている。 その手にはダイスが握られている。 彼は20面体ダイスを5つ振った。 「よし、目星成功!ってあれ?もう死んでるー」 ブロンコ氏はダイスを振ることで発動する技能〈目星〉により、現在の戦況の把握を行なったが、いつのまにかこちらが断然優位になっていた。 外を眺めると、人間達全体にかかっていた魔法効果が切れて、分身達が活躍し始めている。 「もういっちょいってみよー」 カラカラ、とダイスが振られ、今度は技能〈死者蘇生〉が発動する。 人間の兵は命を落としたものからゾンビとなり、ゾンビは人間を襲いゾンビとなる。 館の周囲はバイオハザード状態になり、逃げ惑う兵士を追いかけるブロンコ氏のコピー体と、命が絶たれたそばからゾンビとなる人間とで、混乱を極めていた。 「うんうん、いい光景」 そこへ、何やら館の方に走ってくる人影があった。 ゾンビの恐怖から逃れようと、3人の男と、一人の女が、ゾンビを避けながらこっちへ向かってくる。 「おや、なんだあのハーブで回復しそうな人間は」 この人間たちは放っておいたら、館の中に仕掛けてあるショットガンやロケットランチャーを使って攻撃してきそうだっただので、館に招き入れたのちに、1人ずつ始末した。
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