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ロニセラのダンジョン最深部
「ほう、ここまでたどり着くとは、人間にしてはなかなかやるのじゃ」
「あほか!雑魚しかいなかったぞ!」
たかしが感情をむき出しで怒っていた。その向かいの玉座には小さな女の子が踏ん反り返って座っている。
「ふっっふっっふ、欲に駆られた人間どもよ、わらわの思う壺なのじゃ」
「クソガキのくせに!偉そうにしやがって!」
「そうだニャー」
「ほんとですぴょん」
「・・・・おぬしだって変なのを連れとるのじゃ」
たかしの横には、猫耳のモンクと、ウサギ耳のニンジャがいる。
性別は雌で、そのスタイルの良さはロニセラを苛立たせた。
「変なのとは、心外だにゃ!」
「そうぴょん、つるぺったんのくせに!」
「ぺ、ぺったん、じゃと。もう許せんのじゃ、わらわを怒らせるとどうなるか、このハーレム勇者め!いくらモテモテじゃろうと、貴様なぞ所詮ゴミクズ以下の必要とされない人間だということを思い知らせてくれるのじゃ!」
ロニセラは背の両手斧を手に取りフードを被った。
秘められた魔力の解放とともに、その両手斧がさらに巨大化し、ロニセラの頭部の二本のツノが、メキメキと音を立てて伸びる。
「たかし様、注意してください」
突然、聞きなれない男の声。
「あの小娘、先日の得体の知れないスーツ悪魔同様、魔力の性質が危険です」
低く、落ち着いた声だった。
「ああ、わかっているさ!」
たかしはそう言うと、手でマントをパンっと弾く。
「ちょっと待つのじゃ、なんじゃ、そのマント、喋るのか?」
ロニセラの顔がにやけはじめる。
「ん、ああ、このマントは天使様より直接いただいたのだ、どうだ、羨ましいだろう」
「それが欲しい、欲しいのじゃ!」
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