5章 伝説の勇者

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「クソっ!!回復魔法!蘇生魔法!」 勇者の傷が回復し、死体だったピコとプッコは蘇る。 「それじゃあ、猛毒魔法なのじゃ、人間ども、苦しんで死ぬがよい!!」 勇者は剣で防いだが、またピコとプッコは命を落とした。今度は口から泡を吹きながら。 「クッ!ここは一時撤退だ!!」 「残念なのじゃ、ボス戦からは逃げられないのじゃ、さあ、かかってくるのじゃ」 「蘇生魔法!」 「凍りつくがいいのじゃ」 巨大な氷の塊が空中に発生すると、四方八方から勇者達に襲いかかる、ピコとプッコは身体が動かなくなり、凍えながら、氷塊に押し潰されてまた命を失った。 「蘇生魔法!」 「消し炭にしてくれるのじゃ」 「蘇生魔法!」 「闇に飲み込まれるがいいのじゃ」 「蘇生魔法!!」 「ちょっと、待つのじゃ、のう、そこの獣人、目が死んどるんじゃないか?いかにも、もう苦しいのは勘弁してくださいって顔しとるんじゃが」 「うるさい!!プッコ!奴の装備を盗んでくれ、なんとか弱体化させるんだ!」 「わ、わかったぴょん!」 「フン、のじゃ」 ロニセラは軽く首をハネると、プッコは膝から崩れ落ちながら、血を吹き出して倒れた。 それを見ていたピコは、恐怖で足がすくんで動けなくなっている。 「た、たかし様、こわいにゃ」 「くっそお!奥義、十六連撃!!」 そう叫ぶたかしが剣を振り回し、周囲の全てを切り裂き始める。 「や、ちょ、まつのじゃ、それ」 ロニセラは咄嗟にダンジョンから脱出する魔法を唱えていた。 同時に、目の前で起こった光景は、自分のダンジョンが完全に崩落し、山に埋まるところだった。
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