5章 伝説の勇者

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5章 伝説の勇者

はじまりの町 町の中央にある噴水広場で、歳をとった1人の老人が町民を集め何やら発声練習させている。 「はい、せーのっ」 老人が音頭をとると、町民が端から発声練習を始める。 「あなた様は、一体何者なのですか?さぞ高貴な生まれであるに違いない」 「そんな画期的なこと、今まで考えもしなかった!」 「私をかっこいい勇者様の奴隷にしてくださいですぅー」 「うむ、完璧じゃ!これでいつ勇者様が来ても迎える準備は整っておる」 老人はそう言うと満足そうに頷く、。 そこへ、1人の男が声をあげた。 「町長!私は我慢なりません、なぜ我々がここまで愚者を演じ、よそから来た男を英雄としてたてまつらねばならぬのでしょうか?」 「バカモン、これは神の教え、啓示、勇者は神により選ばれた人間、この教えはを守らぬ事は神への反逆じゃ!!異端者を引っ捕らえよ!」 「う、うわーーっ」 始まりの町は、信仰によって作られた町であり、その宗教の信者によって構成されていた。 しかし近頃異常なまでの勇者の出現により、町民たちは疲弊し、陰で勇者をある蔑称で呼ぶようになっていた。 「蛮族」と。
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