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これは“帰り人”が絡んでいるな。ニッケルと同じ能力の持ち主だ。“マリオネット”言葉で人を操れる能力。
「泳がせて真犯人捕まえたら? でもきっとこいつに接触してくる奴も操られているだけだと思うけど。広域特捜隊に任せた方がいいかもしれない」
「判りました。ご苦労様です」
手を振って車に戻る。
「もういいんですか?」
プレスキールキットが不満そうな声で訊いてくる。
「だって、これ以上はガーディアンの仕事じゃないもの」
「なんか納得いかないなぁ」
「保安員じゃないんだから。大体何から何を護るのよ?」
「犯人から人質を……そっか。まだ事件も起きてないのか……」
「そう言う事。納得いかないのは判るけどね」
コットンが運転席に座った。すぐに車を走らせる。
私はリングで協会に連絡を入れた。協会もやはり、それ以上はガーディアンの仕事ではない、と言う。まあ、また事件が起きたら依頼は来るかもしれないけれど、素人集団だと判った以上、保安員でも充分に対応出来るだろうと言っていた。
「まあ、次に依頼が来るなら、近くだったらプレスにくるよ」
「え。ホントですか?」
「うん。だって安いもん」
プレスはなにか気に入らないような表情でふくれた。
「そうやって地道に頑張るしかないのよ。私達だってそうやってきたんだから」
「はあ……」
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