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《ガーディアンズⅣ Lay your hands on me》
ヒロがキッチンに消える。きっと、自分とランブルがテーブルに残ると、ランブルが困るだろうと思っての行動だ。
「いいんですか? 旦那様に────」
「いいのよ。うちは別にどっちがやっても。それに、ヒロと二人でここに残されても困るでしょ? それを考えての行動よ」
ランブルは口を開けたまま何も言わなかった。
「口を閉じなさい」
「あ、はい。凄い理解し合ってるんですね?」
「んー、そうね。コットンと同じだけ長いから。もう三十年近いよ」
ランブルは黙って頷いた。
「あたしの事情はお話しなくても────」
「いいの。さっき顔を見ただけで判ったみたい。“帰り人”よりも多分、頭は切れるよ」
「顔だけで、ですか?」
「うん。一瞬で全部の情報を整理出来るのよ。なんて言ったか判る? 一秒で『ランブリングローズか、お前が見つけたのか。ワクチンが間に合って良かったな』だって。凄いと思わない?」
「…………。凄いです」
「へへ」
「あ。ご自慢の旦那様ですね?」
これを言われると笑みが隠せない。だって本当にあたしの自慢だもの。
ともあれ、あたし達三人はヒロの用意してくれた朝食を食べ、コーヒーを飲んだ。
ヒロは寝ていないらしく、そのまま寝ると言う。
あたしとランブルは後片付けをし、リビングでしばらくくつろいでいた。
と、またプレスキールキットが飛び込んできた。
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