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あの大きな屋敷には閉じ込められてるお姫様がいるって噂がある。 そんなお伽噺話あるわけない。って俺の周りのやつは言うけど、 俺はちょうど6年前、夜中にかわいい女の子が屋敷の人に連れていかれてるのを 見てる。 だから俺はお姫様が屋敷にいるって信じてる。 それに今思うと不思議なんだ。 夜に連れてくる必要はないだろう。 街のみんなに堂々と見せればいい。 そういえば、あの女の子泣いてるようにも見えた。 俺は決意した。 『よし、屋敷に潜入しよう!』 『は?なに言ってんの?無理に決まってるだろ?』 反論してきたのは俺の親友、朝霧だ。 『無理じゃないよ。屋敷につかえれば中に入れるだろ。』 『はぁ、お前は本当に悪知恵がはたらくな。』 『ははっ、誉め言葉として受け取っておくよ。』 『なんか、ムカつくな。まあ、やるならやれば?内緒にしといてやるよ。』 朝霧もなんだかんだ俺の味方をしてくれる。 『ありがとよ。朝霧』 『ああ。』 『それにしてもよ。』 朝霧が話しかけてきた 『ん?なんだ?』 『つかえるって言ったって、何してつかえるんだ?警備に入るとしても容易じゃねーぞ。』 『そこは大丈夫だよ。お世話係を募集してるのを聞いたんだ。』 『そんなのあったか?掲示板の方にも屋敷からのはなかったはずだけど。』 掲示板は街での悩み事や頼み事とかを貼っておく場所で、 まあお仕事探しみたいな感じで置いてある。 『うん、掲示板にはないな。これは極秘みたいなんだ。』 『は?極秘?街のみんなにか?』 『うん、そうだよ。といってもみんなっていっても全員じゃない。一部の人に限り教えてるみたいなんだ。』 『ふーん。じゃあ、お前はなんで知ってるんだ?』 『よくぞ、聞いてくれました!』 『いいから、さっさと話せ。』 うぅー、朝霧の目が冷たいよ… 『なんでかっていうと、盗み聞きしたから。てへっ』 『てへっ、じゃぁねー。まあいいや。それで?誰がいつどこでそんな話をしててどうやって盗み聞きしたんだ?』 『えぇっと、俺が昼に散歩しに行ったんだよ。それで街の端まできたんだけど、屋敷の人と東屋の女将さんがこそこそ話してるのが見えて俺は気になってバレないように近づいたんだ。』
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