9人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
1話 1 闇の中から鳴き声が聞こえる
「そんなところで何をしているんだ!!」
夜道に響く怒鳴り声。その声を発したのは制服に身を包んだ警官だ。年の頃は28、駐在警官である。
ちょうど夜回りの途中だった。ここ最近、妙な変死事件が続いておりその矢先の話である。
彼の怒鳴り声に小柄な背中は動きを止めた。
綺麗な桃の花の模様が入った黒い着物を着ている。人影がゆっくりと振り返り、ちょうど月明かりがそれを照らした。
最初のコメントを投稿しよう!