3人が本棚に入れています
本棚に追加
王子様はじっと、こちらを見つめていた。
マナーのなっていない女だと、思われたに違いない。
「す、すみません!」
「気にしないでくれ。美味しそうに食べているのならいい。」
「あ、ありがとうございます。すみません……。」
何とまぁ、寛大な心の持ち主だろうか。
「ガトーショコラ、好きなんだな。」
王子様に話しかけられる。
ここまでお喋りの出来る人だとは思わなかった。
驚きながらも、返事をする。
「はい。それはもう、ここのは私が子どもの頃から好きでしたので。」
「……子どもの頃からね。」
意味深げに言う王子様に、私は少し不思議に思いながらも、ガトーショコラを食べる。
「……。」
気のせいだろうか。
こちらをじっと見ているような……。
顔を上げると、ばちりと青い瞳と視線があった。
最初のコメントを投稿しよう!