きっかけは

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王子様はじっと、こちらを見つめていた。 マナーのなっていない女だと、思われたに違いない。 「す、すみません!」 「気にしないでくれ。美味しそうに食べているのならいい。」 「あ、ありがとうございます。すみません……。」 何とまぁ、寛大な心の持ち主だろうか。 「ガトーショコラ、好きなんだな。」 王子様に話しかけられる。 ここまでお喋りの出来る人だとは思わなかった。 驚きながらも、返事をする。 「はい。それはもう、ここのは私が子どもの頃から好きでしたので。」 「……子どもの頃からね。」 意味深げに言う王子様に、私は少し不思議に思いながらも、ガトーショコラを食べる。 「……。」 気のせいだろうか。 こちらをじっと見ているような……。 顔を上げると、ばちりと青い瞳と視線があった。
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