きっかけは

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そんなに見つめられる程、マナーがなっていなかったのだろうか。 顔に食べカスでもついているのか。 「先程からいかがされましたか?私何か……。」 王子様は少し目を見開いた。 もしかして、無意識で見ていただけなのかもしれない。 そんなに面白い顔をしているのだろうか。 「あぁ、すまない。ただ見ていただけだ。何というか…人の食べるところをつい見てしまう。」 「あ、なんか、わかりますそれ。特に面白い訳でもないんですけどつい……。私もお客さんと同じですね。」 私なりにフォローをする。 王子様は綺麗な眉をひそめた。 「……お客さんではなく、リヒトと呼んでくれないだろうか。」 「あ、すみません。リヒトさんですね。」 という事は、やはり外国人なのだろう。 日本人でも通じはする名前ではあるが。 彼の高い鼻や、宝石のような青い瞳はやはり西洋の雰囲気を漂わせている。 それにしても……リヒト。 どこかで聞いた事がある。 しかし考えても、答えは出なかった。 気のせいだったのかもしれない。 それよりも、今はチャンスかもしれない。 ここで働き出して3年だが、その中でも飛び抜けて謎めいていて、目立つお客さん。 いつも3時きっかりに来店する、イケメンの外国人について知りたかったのだ。 「リヒトさんはよくこちらに来ていただいてますが、甘いものが好きなのですか?」 「いや、そんな事は無いが。」 「え、でもいつもチーズケーキとガトーショコラを頼まれていますが。」
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