三章【なし崩しの偶像崇拝】

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「…君のいう信仰は」 「偶像崇拝ですよ」 間髪入れずに答えた少年は、かりかりと?をかいた。 不健康な土気色の肌に、月の光が反射する。 「僕が神を信じてさえいればそれでいい。 民衆は、僕を信じることによって神にその身を捧げるのです」 ははっと高笑いを一つした少年は、ぐるりと部屋を見渡した。 「この部屋の奥に、光玉というものがあります。 もう貴方は感づいているかもしれませんが、その神の遺物を用いて僕は人々を洗脳している。 僕がどうして洗脳なんて汚い手を使っているわけを、話してあげましょうか?」 まるでアウルオンの返事を待たず、少年はその場で話し始める。 過去を懐かしむような、それでいて憎しみに身を焦がすような表情で、少年は口を開いた。 「なぜ僕が、偶像なんぞに成り下がったかを」 ○
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