一章【醜い願いは奥底に】

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誰が言ったか。深淵を覗くものはまた、深淵に覗かれていると。 留学先のハルハンの軍事学校で、聞き流していた授業の内容を朧げに思い出す。 あの頃はまだ、俺にも友達がいて、遠く離れていたけれど家族がいて、尊敬できる先生がいて、厳しい先輩も可愛い後輩もいた。 いつからだ。俺がたった一人で仕事に臨むようになったのは。 そうだ、剣は悪くない。使い手が悪いんだ。 〇〇〇〇
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