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「私の父はおまえを恨みながら死んでいった。私のために泣きながら死んでいった。」
「そうだった。お前は私の人質だった。お前の父親が言うことを聞いていれば、何の問題もなかった。ところがお前の父親は娘を捨て首を縦に振らなかったんだ。」
「だからおまえは退却せざるを得なかった。」
テレジアが勝ち誇ったように言う。
「その結果お前はどんな人生を送った? 人は弱いな、心の傷とやらを負ったお前は亭主とベッドを共にすることも出来なかった。」
「言うな!」
神島の話を遮るようにテレジアが恫喝する。
「子供だった私に最低の拷問を加えたのはおまえだ。人のやることじゃない。その時おまえたちは人ではないことを思い知ったわ。」
テレジアの瞳に涙が宿る。
「それはまた一方的な。我々だって人間だよ。同じ神に作られた偉大な創造物だ。」
神島の言葉にテレジアが憤慨した。
「ふざけるな。おまえらが人でなどあるはずがない。2度までも私を拉致監禁した。人でなどあるはずがない・・・。」
隣室のマリーは到底震えを押さることが出来なかった。
初めて聞く母テレジアと神島隆一の因縁は簡単に理解できそうもない。ただ、母の神島隆一への怨念は凄まじいもののようだ。テレジアは怒りにまかせて防衛線の1列を神島に向けて放った。
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