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「同時に六本木で豪遊する秘密基地でもあったんだろう。水上の性癖については情報があった。恐らくそういうことのための場所でもあったんじゃないか。」
「性癖?」
早瀬が言うと大島が問い返した。
「水上はM男だったらしい。相手は恐らく梶原桃子。他にも女王様はいたかも知れん。」
「そういうこと・・・?」
「それにしても梶原桃子はどこに消えたんだろう。」
麻布中央署の刑事がそれについて答えた。
「忽然と姿を消したとしか言いようがありません。最後の合同捜査会議の資料にはもう何人か政経研学生連合に係わった女性の失踪記録がありました。関係あるんじゃないでしょうか?」
「なんらか神島に協力しているとみるべきだろうな。」
実はその女たちの命も今まさに尽きようとしていた。
エレベーターは29階まで直通だった。別のエレベーターから上がった者たちもすぐに到着した。
「よし。水上の部屋には私とおまえとおまえだ。後のものはこのフロアと上下のフロアを警戒しろ。メゾネット仕様だから30階は存在しない。上階は31階だ、注意しろ。ここは住居棟だ。市民が息を潜めている可能性もあるぞ。」
早瀬が無線で警官たちに指示を出した。
「中条着いてこい。ふたりは刑事さんたちと協力してフロアを警戒しろ。そうだな、エレベーターは止めておけ。」
大島治五郎が手下ふたりに命じた。
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