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「それがいい。誰も部屋から出すな。もっとも部屋にいるのはゾンビヴァンパイアと言う可能性もあるがな。」
早瀬も大島に賛成した。
「ここに吸血鬼はいないと思いますね。そんなところを隠れ家にするはずがない。」
大島は住居棟にヴァンパイアはいないと予測しているようだ。
「どっちにしても狙いは水上ひとりだ。」
部屋には案の定鍵が掛かっていた。
「どうしよう。ぶち破るか。」
「中条、やれ。」
大島の命で中条という男が懐からピッキングの道具を取り出した。
「そういうこと?」
「中条は錠前のプロフェッショナルで。」
「しかし、このクラスのマンションになると電子錠と錠前を組み合わせたタイプじゃないのか?」
中条はピッキングの七つ道具の他にスマートフォンとセンサーを取り出した。
「むむ。それは・・・。」
腕を組む早瀬。
「まあ、見ていてください。」
大島が言うと早速中条は作業に掛かった。まずピッキング宜しく鍵穴へ道具を差し込んで何やら探った後、センサーを穴に差し入れる。スマートフォンのアプリを起動させると、数字の羅列が勢いよく動き出した。
「開きました。」
「もう?」
「何十分も掛けては商売になりません。」
「恐れ入った。よし、行くぞ。」
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