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服を脱がされた遺体の前で権藤が首を傾げる。どこかに見逃した傷がないか、権藤がガイシャの股を開いてみる・・・。
「よせ。」
佐津間刑事課長が権藤を制する。
「どこか他で殺されて運ばれたって事だろ。現場は他にあるはずだ。」
「このビルの地下階、あと1、2階は隈無く見ましたが痕跡はありません。エレベーター全機先ほど鑑識からルミノール反応なしと報告が来ています。」
更に後方へ追いやられた阿木が佐津間に大声で報告する。
「このナイフ心臓まで達してると思う。だったらそこら中血の海のはずだ。着ていた服にも血は少ない。あとは毒殺か扼殺か・・・。司法解剖で明らかにするしかないな。」
権藤検視官はお手上げといったジェスチャーでその場を離れた。
「阿木、生澤、お前らが臨場した時、このビルには誰かいたのか?」
刑事課長の佐津間が二人の前に来る。
「我々が到着した午前0時6分の段階で正面玄関と裏口、地下駐車場を施錠封鎖しました。また警備員の話では午後10時退出者を最後に誰も居ないはずだと言うことです。警備員は当直者2名です。」
「つまり犯人はまだこのビルの中に居るやもしれないということだな。応援要請しろ。ビル狩りだ!」
佐津間の怒声に刑事課、鑑識係が深夜のビル内に散って行った。
機捜201のふたりは並んで歩いていた。
「いいのか?」
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