第4章 千里眼(後)

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「夜分にどうもすみません。警視庁機動捜査隊の阿木です。」 「同じく生澤です。」 「まあ、お入りください。」 「失礼します。」  機捜201の二人は岡崎家の部屋に上がり込んだ。木製の大きなテーブルに腰を掛ける。 なかなかに広い間取りだ。 『いい値段だろうな。』 生澤がそう思っていると、母親がティーセットを手にテーブルに着いた。 「どうぞお構いなく。」 一応断ってから、二人は出されたお茶に手を伸ばす。 「実はお嬢さんにお話を伺いたくて来ました。」 「マリーに?」 「はい、先日学校にも伺ったのですが、もう一度お話を聞きたくて。」 母親は席を立つと奥へ消えた。娘の岡崎絵里花を連れて戻ってくる。 「マリーってニックネーム?」  生澤が聞く。学校では岡崎絵里花と紹介されていた。 「いえ、ミドルネームです。岡崎マリア絵里花です。通常は岡崎絵里花、家や友達にはマリアのマリーと呼ばれてます。」 絵里花が整然と答えた。 「学校でも聞いたけど、もう一度教えて欲しい。小森珈琲茶房が爆破された日、あの店にいたんだよね。」  マリーはテレジアをちょっと見ると静かに頷いた。 「その時何があったのか、教えてくれる?」     
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