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「あの日は学校の友達とあの店でおしゃべりしてて・・・、そしたら急に爆発が。たまたま出口に近い席にいたので外へ飛び出したんです。すぐに大騒ぎになって、怖くなって私たちそのまま帰りました。」
学校で聞いた話と一緒だ。阿木と生澤が顔を見交わす。
「お友達とは学校帰りに一緒に?」
「はい。いえ、北出君は一度家に帰ってから後で合流しました。沙弥ちゃんとは一緒にお店に。」
「何か食べた?」
マリーは怪訝そうな顔をしながら首を横に振った。
「お昼はもう食べてたから。」
「そうなんだ。あそこのお好み焼きおいしいでしょ、広島風のやつ。」
生澤の軽口にマリーがちょっと微笑んだ。小森珈琲茶房の人気商品が小森お好み焼きランチセットだった。
「いえ、私はアイスミルクを飲んだだけで。」
「アイスミルク!? また、おこちゃまな!」
「いいじゃないですか。何飲んだって。」
ちょっと頬を膨らませるマリー。
「それで、どんな話をしてたの?」
生澤はずんずん話を進めていく。
「え、それは・・・、学校のこととかファッションのこととか・・・、色々です。」
「ファッション好きなの?」
生澤が真顔で聞く。
「そりゃ・・・。」
そんなマリーは今はスエットだ。六本木にも制服で行っている。
「北出君がセレクトショップのPB着てくるからだっさーいとか。」
「北出君はそんなの着てきたんだ。」
生澤がにっと笑う。
「今時流行らないわよ。でしょ?」
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