第4章 千里眼(後)

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「あの日は学校の友達とあの店でおしゃべりしてて・・・、そしたら急に爆発が。たまたま出口に近い席にいたので外へ飛び出したんです。すぐに大騒ぎになって、怖くなって私たちそのまま帰りました。」 学校で聞いた話と一緒だ。阿木と生澤が顔を見交わす。 「お友達とは学校帰りに一緒に?」 「はい。いえ、北出君は一度家に帰ってから後で合流しました。沙弥ちゃんとは一緒にお店に。」 「何か食べた?」 マリーは怪訝そうな顔をしながら首を横に振った。 「お昼はもう食べてたから。」 「そうなんだ。あそこのお好み焼きおいしいでしょ、広島風のやつ。」 生澤の軽口にマリーがちょっと微笑んだ。小森珈琲茶房の人気商品が小森お好み焼きランチセットだった。 「いえ、私はアイスミルクを飲んだだけで。」 「アイスミルク!? また、おこちゃまな!」 「いいじゃないですか。何飲んだって。」 ちょっと頬を膨らませるマリー。 「それで、どんな話をしてたの?」  生澤はずんずん話を進めていく。 「え、それは・・・、学校のこととかファッションのこととか・・・、色々です。」 「ファッション好きなの?」 生澤が真顔で聞く。 「そりゃ・・・。」 そんなマリーは今はスエットだ。六本木にも制服で行っている。 「北出君がセレクトショップのPB着てくるからだっさーいとか。」 「北出君はそんなの着てきたんだ。」 生澤がにっと笑う。 「今時流行らないわよ。でしょ?」     
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