第4章 千里眼(後)

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 と言うことは、この燃え残りは今岡崎絵里花の証言した週刊誌に間違いないと思われた。更に解析の結果この週刊民衆は例の六本木戦争の記事が掲載されていた号だったのだ。 「神島隆一と穐本泰之が繋がった・・・。」 「そこまで言えるかどうかだが・・・。ただ、彼女らの嘘から神島隆一と岡崎親子が繋がる。」  小森珈琲茶房のレジ解析から当日事件までの間に1杯しか出ていないのがアイスミルクだった。爆発の時間は様々な分析から午後4時38分と特定されている。アイスミルクを含んだ支払いはレジのタイムスタンプで4時38分だった。爆発と同時間にレジを済ますとは思えない。もちろん後もなし。  岡崎絵里花は爆発の直前にレジを済ましていたことになる。爆発を事前察知した? あるいは、神島と何かあったか・・・。 「やっぱり早瀬さんに奢って貰わないとダメだな。」 「北出みゆきか?」 「北出君の姉ちゃんに当たろう。六本木の高級クラブのレジ係だ。以前は店に出てたらしいけど、結婚引退ということかな。」  12月、東京シティTVの役員会議室。壇上に立つのは経済評論家で東光大学経済学部准教授の柳澤琢磨だった。  会議室窓側には企業、団体、その他支援関係者が居並ぶ。対する廊下側の席には関東大学連合の大学生が立ち上げた政治経済研究学生連合幹部が陣取った。     
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