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「足場にさせて貰うよ。ひとつのね。」
「政経研学生連合は我々帝都大学の政治経済研究会が仕切ってこそ意味があります。」
女にばかり気が行っていた水上も慌てて神島に諂う。
「学生連合? そんなモノはどうだっていいさ。私は全てを自分の物にするつもりだよ。」
安野美枝子が目を覚ます。焦点の合わない目をこすり、寝そべっていた体制を建て直す。
「おや、ミコのお目覚めだ。難しい話はまたにして、ショータイムの開幕といこう。」
「隆一・・・。」
安野美枝子が神島隆一と交際を始めたのは半年ほど前、交際といっても実際には一方的な好意だったのかも知れない。帝都大学経済学部でガリ勉とはほど遠いクールな容貌に一目惚れだった。神島と出かけることがステータスだったし、ゼミの仲間と飲みに出かける時に神島を連れて行くことが自慢だった。
しかし、神島には何人もの女の影を感じた。自分との関係も遊び以外の何ものでもないことを理解していた。でも、放したくなかった。
「いや、やめて。」
男たちが一斉に飛びかかってきた。神島だけが少し離れたところで立っている。あっという間に丸裸にされてしまった美枝子は必死で胸と股間を押さえる。
「お願い、止めて。隆一・・・。」
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