第4章 千里眼(後)

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悦子に少し疲れが出てきたようだった。 「悦子さん、疲れちゃうからその辺にして。」  テレジアが言葉を挟む。 「まだ大丈夫よ。ちょっと待って。何かしら、窓際の席にいる二人、カミジマたちの席へ行く。なんだ、会計へ向かうのね。」 「いえ、そうじゃない。テーブルの下に紙袋を置いた。そのまま行き過ぎるわ。」 悦子は明らかに疲労の色が濃くなっていた。 「爆弾だわ。犯行はモスク・グループじゃなかった・・・。」 とテレジア。 「強い力・・・カミジマが何かに気が付いた。いえ、誰かを探しているんだわ。」 「私だ・・・。」 マリーが言った。 「会計で何か揉めてる。速くしろよ、キタデ、急がないと。さっきの窓際の二人組だわ。会計で揉めてるけど、出て行った。」 マリーは心臓が止まるかと思った。 『速くしろよ、キタデ。』 まさか、キタデって・・・。 「悦子さん、そのキタデって呼ばれた男、どんな格好してるの?」 テレジアが素早く聞く。 「普通の恰好よ、グレーのズボンにポロシャツかな。上着は手に持ってる。あ、右手首にタトウが入ってるわ。鎖みたいな模様が手首に。」     
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