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「岡崎親子は神島を知っていると思います。」
阿木が言い切った。これには生澤も同調する。
「警察庁に面白い奴がいる。奴にも協力させよう。お前たちは神島隆一を洗ってくれ。特にその親子との因縁が分かると近道なような気がする。」
「わかりました。」
機捜201は再び街へ出て行った。
政経研学生連合は急速に拡大していた。水上翔太が物腰柔らかく各大学の政治経済研究会をまとめ上げ、ひとつの提言や政策発表を行うまでに成長した。
有名企業やマスコミを味方に微力ではあったが、これらの意見は実際の政治経済へ影響を及ぼすようにさえなっていった。
「素晴らしい見識でした。いやあ、感心しましたよ。あの三倉さんの挑発に乗ることもなく整然とした意見の開陳、恐れ入りました。」
歯の浮くようなおべっかで近づいてきたのは境という男だった。東京シティTVの楽屋である。日曜朝の討論会に呼ばれた水上翔太と同席の柳澤琢磨が出番を終えて引き上げてきたところだ。
「私も是非学生連合に加わりたいと思うのですが、いかがでしょうか。」
水上は何も言わない。じっとスマホを眺めている。変わって柳澤が口を開いた。
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