23人が本棚に入れています
本棚に追加
/383ページ
「とにかく神島さんに伝えて。三島悠里を適当に扱うと裏切るよって。」
「な、なんだと。」
柳澤が悠里を睨みつける。
「あなた、私の僕になってみない?」
柳澤を無視して、悠里は水上の正面に立つ。
「うっ。」
水上が顔をしかめた。
「なんだ、やっぱり立ってるんじゃない。今度ゆっくりね。」
そういうと悠里は水上の股間から手を放した。悠然と歩き去る悠里。
「何なんでしょうね、あの女。」
と柳澤。水上の股間ははっきりと盛り上がっていた。
「早く車を回してこい。」
言われて柳澤が走り出した。
「まさか死んでいるとは・・・。」
機捜201に同乗しているのは警視庁の早瀬管理官。そして渋谷北署の二宮刑事課長だった。阿木と生澤は早瀬を連れ出し、六本木のクラブアクアマリンへ向かう予定だった。目的は北出みゆきである。この話を聞いていた二宮がご相伴に預かろうとしたか、早瀬に媚びを売るつもりだったか、着いて来ていたという訳だ。
車中北出みゆきについて念のため照会したところつい先月死亡していたことが分かったのだ。交通事故死だった。
念のため確認を依頼した管轄署の溝端から電話がきた。
「確認しましたが、間違いないようです。先月交通事故死しています。」
「事件性はないんだな?」
念を押す早瀬。
最初のコメントを投稿しよう!