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生澤が早瀬に聞いた。
「なんだこの女? そんな感じかしらね。」
いきなり蘭青泉が生澤の方に向き直った。
「まあこの姿だからね、しょうがないか。私はアルビノ、遺伝子の変異で色素がないの。だから髪の毛は真っ白。ちなみにあっちの毛も白いのよ。」
「いや、そんなことは・・・。」
生澤がどぎまぎして遮る。
「いいの。昔から奇異の目で見られてきたから。以前はわざわざカラーリングして髪の毛を黒くしたりしてたんだけど。面倒になって・・・というより自分らしく生きたいと思ったのね。でもカラコンだけは今でも使ってる、人が怖がるから。」
一般的にアルビノは瞳孔に色素がなく網膜の毛細血管が透けて赤く見える。
「姿形は慣れて貰えばそれまでだ。」
ここで早瀬が割って入った。
「彼女は、その何だ、詳しいんだ。西洋占星術とか黒魔術、白魔術など呪術関係にね。」
「家が寺だったこともあって、仏法や陰陽道なんかにもね。母は尼さんで父が住職。そういう家系なのよ。」
蘭が早瀬の解説を引き継いだ。
「そして、ある程度の能力も・・・。」
と、これは早瀬。
「能力?」
阿木が目を丸くして聞き返す。
「占いがよく当たるんだよ。この間も潜伏中の犯罪者の居場所を言い当てたり・・・。」
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