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快晴
「春弥!」
月乃を家にまで送る途中で急に月乃が俺の名前を呼んだ。
「ん?なに?」
「春弥はあの時にもし止めなかったら勝ってた?」
あの・・・時?・・・。
「あの時って?」
「さっきの男の人に殴ぐろうとしたときのこと」
あー。あいつのことか。
「えっとー、実は俺5歳の頃から合気道やってるからそこらのチンピラにはやられない!」
月乃には言いたくなかったな・・・。野蛮だと思われたくなかった。
チラッと月乃を見ると目を丸くして俺を見てた。ひ、引かれた・・・。言ったことを後悔した。勝っただけば言えばよかった・・・。最悪だ。せっかく仲直りできたのに・・・。
「ほ、ほんと?」
もう隠しても遅い・・・。
「ああ」
なんて言えばいいんだ。お袋の紹介で初めて、続けていた合気道。薫だって少しは、かじっている。って今はどうでもいいか。なんて弁解をしよう・・・
「しゅ、春弥すごい!」
え・・・?す、すごい?
「引いてないのか?」
「なんで引くの?すごいことじゃん!」
すごいことなのか?
「私って本当に幸せ者。かっこいいし、強い春弥が彼氏なんて」
なにそれ・・・。そんなこと普通に言うなよ!やばい顔が体が熱い!
「あれ?春弥、顔赤くない?」
っ!?
「う、うるさい!早くしないとおばさん心配するぞ!」
「大丈夫だよ。ママには春弥が一緒ってメールしたから」
あー、もう!まじで辛い。こんな、こんな可愛いいのが彼女とか・・・。俺の心臓がもたねえよ。でも、だからこそこんな奴は俺が守ってやんないといけないな!
これからもたくさんの愛を捧げるし、たーっぷり嫉妬もしてやるよ!
どんな雨がお前に、俺達に降ろうと俺がお前の傘になってやるからな。
雫一滴でも、お前には当たらせない。
END
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